『月の影 影の海(上) 十二国記』小野 不由美(講談社文庫) ’07 8/27

評価;B

甘くない。

なんて、コーヒーの宣伝みたいな文句で、今回の『十二国記』シリーズ第一巻の感想始めます。

高校生の中嶋陽子は、毎日大量の妖怪が徐々に自分に近づいてくる夢を見ていた。ある日、自分を迎えに来たようなケイキと名乗る長い金髪で裾の長い服を着た男に陽子は学校から無理やり連れ出される。辿り着いた先は、地球上の世界ではない見ず知らずの異国だった。見ず知らずのこちらの世界へ来る直前ケイキたちとはぐれた陽子は一人だった。陽子はこの中国に似たようなけれどまったく知らない世界で、裏切りや妖怪の襲撃に耐え、それにより成長し、こちらの世界のただ一人の知っている人物、ケイキに再会し、自分の世界に戻るための手段を知る、ただそのためだけに死にそうに辛い毎日をなんとかして生きる。

成長なんていいものではなく、神経が図太くなっているというべきか。
か弱い少女から、自分の身は自分で守るしかないと悟った、力のあるある意味悲しい人間へと変わっていく過程が上手いなと思う。
「ケイキぃっ!! 理由を言えぇっ!!」とか、たまに見せる男らしさにしびれます。あと、少し前の、宿屋の従業員と財布の有無で言い争うところの敬語なしの口調とか。

身の回りに『十二国記』を読んだことのある友人が何人かいます。「『十二国記』ってどんなの?」と聞くと帰ってくる答えは、ほとんどが「痛い」です。だからと言って、この作品を「嫌い」だという人にはいまだあっていません。
読み続けている人が言う「痛い」が一巻に含まれているのかどうかはわかりません。実際読んでいた時は特に痛々しいとは感じませんでしたが、今考えるとなかなか痛々しくある気もします。それが上記の「甘くない」という感想に繋がるわけですが。

今までの私の読書記録を読み続けてくださっている方はもしかしたらおわかりかもしれませんが、私は女性が主人公の作品はあまり読みません。どうも苦手なんですよ・・・。おそらく同性として理解できる心情が直接的に入ってくるからだと思います。だからこそ、男性の目線というクッションを一つ置いたところで心情を理解したいと思うんですよ。男性の場合はどう頑張っても私には完璧には理解できないだろうから、直な回路で十分なんです。っていうか、そうじゃないときっと理解できないから。

そんな中、今回の作品はあらすじ通り女の子が主人公です。
この作品、実は2005年7月26日に読み始めました。上の読了日を見ていただければわかりますが、読みきるのに2年あまりを費やしております。挫折して放りっぱなしだったのです。
ただ、最後の挑戦では一週間ぐらいで読めたんですよ。秘訣は・・・

ザッツ☆脳内変換っ!!!
つまり、頭の中でキャラの容姿を想像しやすい人に変換するのです。

さて、今回は、

陽子→ユウヒくん・・・本名だからなだけで、おそらく本文に描写されている容姿とは似ても似つきません。でも面白いのでこのまま。
ケイキ→アサコさん・・・「ユウヒくんに関係ありそうな人で男といえば・・・?」で出てきた人。1巻では登場回数が少ないのでまだ何とも。
達姐→タキさん・・・「たっき」なので。これは結構はまってる感じもします。
謎の金髪の女→トウコさん・・・このキャラは悩みが多そうな女性だから、悩ましい演技がとても上手いトウコさんに是非。肩のオウムは安禄山でいっときましょうか。でもトウコさんに命令してるから声だけはワタルさんでもいい。っていうかワタルさんがいい。
老人→老人は誰にもやってほしくないぐらい嫌なヤツなんで、除外。
その他→端役で出番そんなにないんで、除外。

に変換。
この方法で行けば読めました。(笑)
しかし、今まではよくSMAPに変換していましたが、最近は宝塚に変換する回数が多くなってきたのは、あまり良い兆候とは思えませんね。いろいろと。

さて、次の本は『里見八犬伝』。
一度読んでみたいと思っていた本です。

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